ペットの室内飼いにオススメの床材とは

犬や猫などのペットを室内で飼われている方にとって、床材選びは、ご自身の住みやすさだけではなく、大切なペットの居心地の良さにも関わる重要な選択です。

滑りやすい床だと、ペットの足に負担がかかってしまうなど、トラブルの原因にもなります。床に犬や猫の爪で傷が残ると、汚れの原因になるだけではなく、結果的に床材の消耗を速めたり、臭いの原因になってしまうこともあります。

本日は、大切なペットと長く快適に過ごせるお部屋を実現するために、ペットを室内飼いされている方におすすめの床材5つをご紹介していきたいと思います。

ペットにやさしい床材選びのポイント2つ

①防水性

Image by PicsbyFran from Pixabay

どんなにお利口なペットでも、失敗はあります。ペットが家の中でおトイレを失敗してしまった場合だけではなく、食べ物や水がボウルからこぼれたり、足や体に泥がついたり、お風呂上がりに周囲を水浸しにしてしまったり、中にはよだれを大量に垂らすワンちゃんもいることを忘れてはいけません。

床の中には、少しの水でもすぐに掃除をしないと永久的なダメージを受けてしまうものもあります。ペットのいる家庭では、防水性の高い床が必要不可欠です。

②傷がつきにくい

Image by Daga_Roszkowska from Pixabay

ご存じの通り、犬や猫の爪は人間よりも遥かに硬く、普通に歩くだけで床はダメージを受けます。さらに、犬や猫は爪とぎやひっかきの本能を持ち、悪気はなくても床は日々傷ついていくのです。

つまり、ペットにやさしいフローリングには、ある程度傷に対する耐性がある必要があります。硬い床材や、上にしっかりとした保護層がある床材がこれに該当します。また、傷が目立つのではなく、ブレンドされ、ますますデザイン性を高めてくれるような床材が理想です。

これらの基準を念頭に置いて、ペットがいるご家庭におすすめの床材を5種類、それぞれの長所と短所を含めてご紹介していきます。

タイル・石材フローリング

引用:One World, One Ground | Athen – Parador

タイルや石材のフローリングの何よりの長所は、耐水性、汚れにくさ、清掃の容易さです。

ペットをお迎えするということは、その子を一生涯大切に育てる、ということを意味します。
タイル・石材のフローリングは、例えば、まだトイレトレーニングを学習している新しい子犬から、または介護が必要な老犬まで、すべての年齢期のペットに最適です。

水分をこぼしても、外から泥だらけになって帰ってきて床を汚してしまっても、さっとお掃除することができ、汚れはほとんど残りません。仮にワンちゃんの爪が伸びすぎてしまった場合でも、タイル・石材はワンちゃんの爪を傷付けたり、床自体が爪によって傷つけられたりすることはありません。

ところが、ウッドルックタイルを含めたタイル・石材の欠点は、硬くて冷たいということです。
猫ちゃんは床が仮に冷たくても、簡単に居心地の良いソファや椅子で休むことができます。

しかし、ワンちゃんの場合は、床の上で直に休むには硬すぎるだけではなく、体を冷やしてしまうかもしれません。家のどこかに柔らかいエリアラグや犬のベッドを用意することが必要不可欠です。

冬場冷え込む地域にお住まいの場合は、床暖房システムを導入されることをおすすめします。

コルクフローリング

Image by mariesmolej from Pixabay

広葉樹のフローリングに似ていて魅力的なコルクフローリングも、ペットを飼われるご家庭におすすめのフローリングの一つです。

特にコルクフローリングの最大のメリットは、コルクの天然成分による抗菌作用です。コルクの主成分であるスぺリンは、大変抗菌性に優れており、細菌の繁殖やカビ・そのほかの有害なアレルゲンを発生させにくくしてくれます。そのため、たとえペットのおトイレの失敗などに少し時間がたってから気が付いたとしても、安心して安全に取り除くことができます。

また、もう一つのコルクのメリットは、防音性です。ペットが床を走り回ったり、ジャンプしたりして足音がしてしまっても、コルクのフローリングであれば、あまり気にならないでしょう。

一方でコルク材は、タイルや石材に比べると、多少キズが付きやすいということが欠点です。特にワンちゃんの爪のお手入れはこまめにしておく必要があるといえるでしょう。あまり傷が目立たない明るい色を選んだり、丈夫で傷がつきにくいような仕上げの製品を選んだりすることもできます。

竹フローリング

Pazzo4562, CC BY-SA 4.0, via Wikimedia Commons

コルクのような、ナチュラルな木材のような外観がお好みの場合は、竹のフローリングもおすすめです。

竹フローリングは非常に耐久性があり、汚れに強く、キズに強いことが大きな長所として挙げられます。だから、あなたのペットが、お部屋で大運動会を繰り広げたとしても、安心して見守ることができます。

さらに、竹のフローリングは、維持するのも簡単です。だから、あなたのペットが外から汚れて帰ってきて、床の上を歩き回ってしまったとしても、簡単な拭き掃除できれいにすることができます。

ごはんや水をこぼした場合や、おトイレの失敗も、適切に掃除すれば、何の心配もありません。さらに、竹は持続可能性の高い床材です。竹のフローリングを選べば、あなたの大切なペットだけではなく、環境にもやさしい住まいを実現できるでしょう。

しかし、竹のフローリングははっきり言って「ピンキリ」です。上記の利点を実感するためには、硬さがあって、さらに耐久性のあるものを選ぶ必要があります。

高品質のビニールフローリング

引用:Vinyl Reclaimed wood whitened – Parador

最近の高品質のビニールフローリングも、ペットのいるご家庭には素晴らしい選択肢の一つです。

ビニール材には、ビニール板(LVP)とビニールタイル(LVT)の二種類がありますが、両方ともペットとの相性が良い床材だと言えます。

まず、高級ビニールは非常に耐久性があります。良い品質の床材を使用し、正しくインストールした場合には、ペットとの暮らしでありがちな様々な課題に耐えることができますし、傷がついたり、破れたりすることもありません。

ほとんどの高級なビニールフローリングは防水性があり、食べ物や水のこぼれ、トイレを失敗したときも安心です。メンテナンスが簡単なだけでなく、毎日のお手入れも簡単です。 さらに、足元が柔らかい、というところも最大の魅力の一つです。

ワンちゃんや猫ちゃんが床の上を歩いたりジャンプしたりする際だけではなく、床の上に直に寝ても、居心地よく過ごせることができるでしょう。

また、ビニール材のフローリングには、天然石風、タイル風、または広葉樹風など、デザイン性が豊富なので、よりあなたの理想のインテリアデザインに近づけることができるでしょう。

エンジニアリング・ハードウッド・フローリング

基本的に、ハードウッドフローリングは、ペットのいるご家庭にはおすすめできないのですが、どうしてもハードウッドを使いたい方には、ブラジリアンチェリーやホワイトオークなどのエンジニアリングハードウッドフローリングをおすすめします。加えて、なるべく傷に強い仕上げが施されているものを選びましょう。

仕上げ加工でも防ぎきれないような傷がつくことをリスクと感じる方は、最上層が厚いエンジニアリングウッドフローリングがおすすめです。最上層が厚いと、仮に大きな傷がついてしまっても、サンドダウンして何度か再研磨することができます。

傷を隠すためのもう一つの方法としては、傷の目立ちにくい色味や傷が自然に溶け込むような素朴なスタイルのフローリングを選ぶことも効果的です。

しかし、エンジニアリングハードウッドフローリングは、上記のほかの床材に比べるとあまり耐水性が高くないので、トイレの失敗や、液体をこぼした際は、すぐに片付けることを忘れないでください。そういった意味で、ペットを飼うご家庭にとっては少し手間のかかる床材となるので、その点だけ事前に理解しておくこくのが賢明です。

まとめ

犬や猫などペットにおすすめの床材はいかがでしたでしょうか?大切な家族の一員であるワンちゃんやねこちゃんにも快適な床材を選んで、より長く安心して過ごせる住まいを実現したいですね。

この記事を書いた人

田邉憲作

・1976年8月24日生まれ
・共同代表取締役
・内装工事業20年
【資格】
給水工事主任技術者