賃貸併用住宅の成功例:20年後に到達する理想のライフスタイル

賃貸併用住宅の成功は大きく2種類に分けることができます。一つは賃貸ビジネスとして収益を生み出すという成功。もう一つは、賃貸併用住宅の運営を成功させたのちに理想のライフスタイルを手にするという成功です。

前者の成功でいうと、鍵となるのは空室期間を作らずに家賃収入を継続的に得ること。具体的な成功事例は過去の記事「3つの成功例から学ぶ、賃貸併用住宅で後悔しないプランニングのコツ」で紹介しています。

また、こちらの記事「空室対策に直結、賃貸併用住宅に最適な入居者ターゲットを徹底解剖」でも紹介した通り、ターゲティングと市場のニーズを理解すれば、賃貸併用住宅の成功自体は決して夢物語ではなく、むしろ手堅い不動産投資とすら位置付けることが可能です。

そこで今回の記事では、賃貸併用住宅を始める前に理解すべき本質的な後者の „成功“ にスポットライトを当て、なぜ今、賃貸やマイホームより賃貸併用住宅に踏み切るべきなのかを解説します。

賃貸併用住宅を始める根本的な理由

そもそも賃貸併用住宅に興味を持つ人の根本的な理由は何でしょうか。原則、次に2つに限るはずです。

  • 家賃やローン返済がもったいない
  • 不労所得を得たい

つまり本質的には、支出を減らし、お金を稼ぐ、という大きな目的があるのです。お金を必要とする理由は様々ですが、その裏には必ず「長生きしたい」「快適に暮らしたい」「愛する人を守りたい」「社会的に認められたい」という根源的な欲求が隠れています。

社会人になり年を重ねるにつれて「賃貸」か「持ち家」かという究極の二択と思えるような選択を強いられる人が大多数の世の中ですが、これも本質的にはどちらが得で、どちらが快適に、かつ長生きできるかという根源的欲求から派生しているものです。

正しい戦略で建てられた賃貸併用住宅は、持続的に収益を生み出し、数十年後に大きな資産を築き、この根源的欲求を満たすという意味で賃貸と持ち家の両方を遥かに凌駕するポテンシャルを持っていますが、認知度の低さ、周囲と同調する心理的な影響から、手を出す人が少ないのが現在の状況です。

しかし、心理学に強い有名なコンサルタント、ドルー・エリック・ホイットマンは自身の著書で、根源的な欲求に逆らえる人間はほぼいないことを提言しており、本当は、賃貸併用住宅は根源的な欲求を満たせる、より良い解決策と言えるでしょう。

ドルー・エリック・ホイットマンの根源的欲求
ドルー・エリック・ホイットマンの根源的欲求

20年後、30年後の姿を想像する

賃貸か持ち家のどちらかを選択した場合、収入が年金のみになる老後は、じり貧の一途を辿ります。しかし、ポイントを抑えて賃貸併用住宅を運営すると、定年を迎える頃の資産総額に雲泥の差が生まれます。詳細なシミュレーションは過去の記事「人生100年時代を賢く生き抜く住み方は?賃貸vs持ち家vs賃貸併用住宅」に譲りますが、賃貸併用住宅になると心にも絶大な余裕が生まれ、様々な支出が可能になります。

  • 子供の結婚式のサポート
  • 夫婦の趣味の追求
  • 海外旅行
  • 孫へのお小遣い
  • 田舎に平屋を購入する

年間の空室率20%でもおつりがくる

次の賃貸vs持ち家vs賃貸併用住宅のシミュレーションを見れば一目瞭然ですが、賃貸も、マイホームですらも決して安牌ではない時代が到来しています。

上図を比較すればわかる通り、仮に年の空室率を20%と想定しても、賃貸併用住宅のシミュレーションだけ黄色の線「貯蓄」に明白な余裕があるのが見てとれます。(当社がコンサルする賃貸併用住宅では空室率が2%程度で、貯蓄シミュレーションはこれよりさらに良くなります)

持ち家を買うという決断は、本来は根源的欲求を満たすための選択であるはずなのに、賃貸併用住宅というより良い選択肢があるのを知らないが故に老後2000万円問題に自ら対峙しに行くという結果に繋がってしまっています。

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貯蓄をどう使うか、哲学的な信念を持てる

第一に貯蓄があることで心にゆとりが生まれます。そしてそのお金をどう使うか、幅広い選択肢が生まれ、視野がずっと広がります。ですが、人生はお金を手にすることが最終目標でないのは周知の事実。その貯蓄をどのように使うかまで考えておくのが賢明です。

上述した通り、子供や孫に奉仕してあげるもよし、自分たちの趣味や海外旅行に使うもよし、はたまた田舎や地元に戻り、平屋を購入して静かな余生を過ごすという決断すら可能なのです。

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老後に本当のマイホームを買う

完全分離型の賃貸併用住宅とは言え、そこそこ予算を抑えるとなると、理想のマイホームを注文するという訳にはいかなくなります。ある程度ビルダー側の仕様を採用してコストを下げたり、 „集客力がある“ 物件を最重要視するために自分目線ではなく、客目線でニーズのある立地、設備、間取りを決めなければなりません。

関連記事:賃貸併用住宅の空室対策を徹底分析-データに基づく15のアイデア

そのため、20年後ないしは30年後、子供も自立し夫婦二人になった段階で、改めて二人だけの夢のマイホームを建てるという道を選ぶのが、ある意味この道を進んだ人の王道になり得るかもしれません。

老後で田舎で平屋を購入

シミュレーション通り退職後の貯蓄が4000万円前後あれば、都内は難しいにしろ、都心へのアクセスが良く、もう少し静かなエリアで夫婦二人が住むのに十分な広さの土地を買い、家を建てることは難しくありません。

老後に必要な生活費は現役よりも下がると言われていますし、60代であればアルバイトや副業もまだまだ可能な年齢。生活に困ることはまずないでしょう。

成功する賃貸併用住宅の特徴は?

それでも大きな買い物であることに変わりはなく、友人や同僚でもまだトライした人がいないとなると、不安は残るはず。確かに、誰でも始めれば儲かるという甘い話ではないのも事実で、要点を抑え、プロと相談しながら踏み切るのが成功の秘訣です。

一般的な賃貸ビジネスは「家賃立地がすべて」と言われることが多いですが、賃貸併用住宅の成功事例に共通する本当の項目は次の2つです。

  1. デザイン性
  2. 適切なターゲティング

最低でも20年、やはり30年は賃貸として貸し出すことを想定すると、新築当初は高い集客力も、通例では徐々に低下し、最後は客の妥協案として比較されるという結末もあり得ます。そこで大事なのは「デザイン性」です。

その時代の流行を取り入れるのではなく、時代が遷移しても魅力的と思われる中世ヨーロッパのようなデザインにすることで、相応に老朽化してきても経年美化を訴求できる物件というのは不動産ビジネスにおいて存在感を発揮し続けます。

また、自分に合う入居者ターゲットを決めて、そのターゲットに合う住宅を建てることも大事なポイント。「私は素人だから分からない」という人も多いですが、住宅のプロである担当者が二人三脚で運営を行うため、マンションやアパートと購入しなければならない大規模な賃貸ビジネスより敷居は遥かに低いです。

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この記事を書いた人

矢澤佑規

・1982年10月7日生まれ
・専務取締役
・建築不動産業界歴20年
・不動産賃貸オーナー
【資格】
二級建築士、宅地建物取引士